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アレルギー性鼻炎とはどんな病気なのですか?

 発作的に連発するくしゃみ、鼻水、鼻づまりがアレルギー性鼻炎の3大症状です。
 さらに目やのどのかゆみ、咳、頭重感、イライラなどの症状がでることもあり、日常
生活に大きな影響を及ぼします。
 わが国の6人に1人が、花粉が原因でアレルギーを引き起こす、いわゆる花粉症と言われています。
 鼻には空気と一緒にいろいろな物質が入ってきますが、ある特定の物質(例えばスギ花粉、これを抗原といいます)、それを異物と認識にて体内に抗体が作られます。
 そしてその抗原再び体内に侵入すると、あらかじめ作られた抗体と反応して
ヒスタミン・ロイコトルエンなどの物質が放出されます。
 これらは知覚神経を刺激しますので、くしゃみなどのアレルギー反応が引き起こされます。

 
 主として
ヒスタミンにより、神経が刺激されてくしゃみ、鼻水が、またロイコトルエンにより血管が刺激を受け、鼻づまりが生じます。
アレルギー性鼻炎の原因となる抗原はたくさんありますが、まず花粉症を引き起こす抗原として、スギ*、ヒノキ、カモガヤ(イネ科)、ブタクサ(キク科)などがあります。特定の時期にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ等の症状が出るようなら、これらの花粉症が疑われます。また季節に関係なく症状がずっと出ているようならダニ、ハウスダストなどが考えられます。いつ、どんな時に症状が起こるかを参考に血液中の抗体価を調べて原因をつきとめます。そして早目に対策を立てることが必要です。
*スギ花粉の正体である雄花は、7月のはじめ頃から作られますが、今年のように夏が猛暑であるとその発育が盛んになり、秋にも花粉の飛散が見られることがあります。
図:厚生労働省21世紀型医療開拓推進研究事業
アレルギー性鼻炎ガイドライン班 「アレルギー性鼻炎ガイドライン」より
アレルギー性鼻炎(含花粉症)
原因にはどんなものがありますか?
原因にはどんなものがありますか?

(1)花粉症の場合
 
I 花粉からの回避

一般に花粉は、気温が高く、風が強く、晴天で空気が乾燥した日や、雨上がりの翌日、さらには気温の高い日が2〜3日続いた後の日に多く飛びます。このような日には次の点に気をつけましょう。
 ・花粉天気予報を参考に、なるべく外出をひかえる。
 ・外出する時にはメガネやマスクを着用する。
 ・帰宅時には玄関先で服や髪についた花粉を落とし、うがい、洗顔、鼻をかむ。
 ・窓を閉めて花粉を家の中に入れない。
 ・洗濯物は室内に干し、布団の取り込みは花粉をよく落としてから

U過労やストレスを避け、十分な睡眠を

V 予防薬の服用

花粉の本格飛散の始まる2週間ほど前から、アレルギー症状を抑える「抗アレルギー剤」を服用しますと、シーズン中の症状をやわらげることが出来ます。この初期療法はかなりの治療効果が期待できます。静岡での予防薬服用開始の目安は次のとおりです(その年の飛散状況にて多少前後することがあります)。

スギ花粉症2月中旬頃
イネ科花粉症6月初旬頃
ブタクサ花粉症9月初旬頃

(2)通年性(ダニ、ハウスダストなど)の場合

I ダニ、ハウスダストの除去

・居間、寝室など頻繁に使用する部屋はできるだけ毎日掃除を。
・ジュウタン、畳をやめ、できればフローリングに。
・防ダニの布団を使用。
・布団、枕などにも防ダニのカバーをかける。
・使用している布団、毛布などの寝具類は1週間に1回は掃除機をかける。
 専用のノズルをつけて、1平方メートルにつき20秒以上の時間をかけてていねいに。
・晴れた日はできるだけ毎日布団、毛布などの寝具類をよく日光にあて乾燥させる。
・衣類の乾燥機はダニ駆除率が高く効果的。

II 体に抵抗力をつける

 風邪をひかない。
・バランスのとれた食生活。
・十分な睡眠をとる。
・過労やストレスをつくらない。
・皮膚の鍛練、適度なスポーツ。

・症状にあったアレルギー薬の使用。

アレルギー性鼻炎とはどんな病気なのですか?
アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー症状を抑える薬剤にはいろいろな種類があります。

<抗ヒスタミン剤>

即効性があり、ひどいくしゃみや鼻水にはよく効きます。
ただし人によっては”眠気”が出るかも知れません。

<抗アレルギー剤>

このお薬は”眠気”が少なく、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに効きます。
しかし効きが少し遅く、1〜2週間後に最高の効果が発揮されます。
予防薬にも使われ、現在多くの種類があります。
薬効にはそれぞれ特長があり、アレルギー症状の程度によって使い分けられています。


<漢方薬>

漢方薬としては比較的効果の速い小青竜湯などが使われます。
花粉症のシーズン前から服用すると効果的です。

<ステロイド点鼻薬>

鼻粘膜の浮腫を抑え、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに優れた効果を示します。
効果も比較的早く現れますので、抗アレルギー剤の経口薬と併用することで症状はかなり抑えられます。
鼻内に噴霧しますので、副作用もほとんど問題ありません。

<抗アレルギー剤の点鼻薬>

症状が比較的軽度の人、経口薬では眠気が強く出る人など様々なタイプの人に使われます。

<血管収縮点鼻薬>

血管を収縮させ鼻づまりをなくすお薬です。しかし長期間頻繁に使用するとかえって慢性的な鼻づまりを引き起こすことがあり、連用は勧められません。短期間使用することは差し支えありません。

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